既視

「こういうくねった道路って、そこが川だった可能性があるみたいですよ」

と散歩の途上、同僚に語られ、

「へえ、誰説?」

と私。

タモリ

と同僚。

ゴールデン・ウィーク最終日は、例年、この大型連休のどこかで、遠出、あるいは、近場を歩いている同僚との、ブラタモリであり、チイサンポでもありました。

「たぶん、一番難易度高い改札かも」

とは、地下鉄の通路を、JR上野駅に向かい、中央改札に出たタイミングで、同僚に送ったLINEのそれであり、あらかじめチェックした、駅の構内図に持った、印象でもありました。

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それにしても、設計者、酒見佐市の何たる瀟洒な建物でしょう。

竣工は、昭和五年と聞きますから、昭和モダニズム建築の興隆期であり、翌年完成した御茶ノ水駅の設計者、伊藤滋のそれとともに、現存する駅の、好きな玄関口のそれぞれです。

それはさておき、散歩です。

待ち合わせた改札前の地図を見ながら、

「ひとまず、吉原神社を目指しましょう」

との同僚のそれに、指定された「一番難易度高い改札」が、そこを目指すべく一番近い待ち合わせ場所であった、その散歩プランを諒(りょう)とすると、あとは、同僚のナビとおしゃべりに任せながらの、3時間12キロのコースは、途中、三ノ輪駅でのランチと、そこから、都電に乗って大塚駅池袋駅間の路地歩きを経て、事なきを得ました。


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それにしても、散歩の途中、二つの場所で生じた既視感(デジャヴュ)は、いったいどうしたものでしょう。

二、三か月前にみた夢のなかで、その日のように同僚と散歩しているのですが、先行して歩いている場所を、ふたたび訪れることの、

「うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと」(乱歩)

を体現。

何とも、不思議な近場の、否、近くも遠い旅と、同僚との道程でした。

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