TRC(東京流通センター)での最後の文学フリマで、拙ブースが有終の美を飾れたかは、わかりませんが、ここでのすべての催しをして、何かしら忘れている、つまり、心のこりがある、というのは確かです。
子どもの頃、台所にいる母から、
「〇〇さんちに行って、お味噌借りてきて」
といわれたことがあり、
「すみませ〜ん、二十円あったら貸してもらえませんか?」
と隣ブースの〇〇さんに訊ねたとき、そうした、バリアフリーな昭和の風景が、ふと、よみがえるのを感じました。
もちろん、〇〇さんであったからこそ、見せられる失態ではあったけれど、「何かしら忘れている」その怠慢に、〇〇さんへの礼を失してしまったのは、「心のこり」です。
が、まあ。
そんなこんなで、「TRC(東京流通センター)での最後の文学フリマ」で、見事に釣銭を用意してくるのを「忘れていた」、愉快なスミレ編集長ですが、書いて・作って・整えて・売って、までの一連のルーティンの、その時々の役回りに徹しているのも、我ながら愉快です。
例えば、売り子のときは、石川・太郎センセイ、それぞれの一推しセールスなど。
「そん時々の役回りに徹してるんだなと。コレ、お客さまに、ただの売り子思われたとき、掴みオッケ! 思ったよね。つまり、特別じゃない どこにもいるわ ワ・タ・シ 売り子A〜♪ とね。笑」
そんな具合でしたが、いまのことばでいえば、「メタ認知」とでもなるのでしょう。
まさに、作者は誰? 私は何者? といった心境であり、回を追うごとに眺めの目で見ている自分がいるのも確かです。
また、有料制につき、危ぶまれた客足も、売上に比例しているくらいには、危なげなくはありませんでした。
(会場に来てくれてありがとう!)
拙ブースが、コンスタント(不変的)のゾーンにはいってきていることを、こんどの会場となる、「東京ビッグサイト」を前に識れたことは、「有料制」といった、「客足」にとっての負荷が、そのまま、我々にとっての「負荷」となり得る、そのことを回避出来たとの証左であると同時に、事務局側の事前調査の結果でもあると、このことを諒(りょう)としました。
それにしても、はじめて出店参加した、蒲田(大田区産業プラザPiO)から移った会場の規模、そのものの成長であったと、感慨深いものがあります。
「大きくなったなあ」
と。
さらに、大きく、
「こんどは、ビッグサイトですか。そうですか 笑」
※ 画像、解像度問題 笑 その間30回。15年前の記録。