普段、顔を合わせているひとから、
「占いをやっているんです」
とカムアウトされたら、
「へえ、鑑(み)てもらいたい」
と返すのが、自然な流れであり、そうやって繰り返されてきた、十年周期でのそれを思うと、来るべくして来たタイミングだとも思いました。
こちらから、願い出たことはなく、すべて、ひとを介してのことゆえ、やはり、「来るべくして来たタイミング」と思うより、ほかにないのです。
心理学者のフロイトが発見し、これも、心理学者のユングが、さらに研究を進めたのが、潜在意識です。
タロット占いは、カードを通して潜在意識に語りかけ、答えを聞き出す占術である、と聞きます。
はじめて鑑(み)てもらったときの方法は、忘れてしまいましたが、その後の「十年周期」は、霊視、占星術、そして、カードと、方法もさまざまですが、「タロット占いは、カードを通して潜在意識に語りかけ、答えを聞き出す占術」ゆえ、占い師のスキルに恃むところもあるのでしょうが、まあ、傾聴力と鑑定数とによるところが、大でしょう。
「鑑定数」というのは、将棋でいうところの、定跡であり、その局面の数のことです。
一方、「傾聴力」というのは、相談者の話を聞きながら、その感情が動くポイントを意識的に拾い上げ、相談者の現在のポジションと目指すポジションとを把握することです。
目指すポジションが明確であれば、そこに到るまでの道筋を、カードからのメッセージを頼りに、相談者の潜在意識から聞き出したそれを、占い師がわかりやすく言語化することで、当たる確率(相談者に思い当たらせる局面数)も上がるというわけです。
まあ、「占い師のスキル」というより、術策といったところでしょうか。笑
しかし、タロット占いではカードを捲るときにシンクロニシティが働く、といわれていて、私などは、そこに、神秘性と信憑性を感じ、煙に巻かれた感が否めないのです。
そのことは、心理学者のユングが提唱する、
「意味のある偶然の一致」
が「カードを通して潜在意識に語りかけ、答えを聞き出す」ところで、シンクロニシティを起こすためとも解釈出来ますが、やはり、「術策」の域を出ません。
つまり、すでに出ている答えを「カードからのメッセージ」という形で可視化し、さらに、このカードが意味するメッセージを、占い師がわかりやすく言語化することで、相談者は、「自分や相手の気持ちが見透かされているかのようによく当たる」と感じるのでしょう。
というのが、アフター、社のロビーフロアのグリーンが衝立になっている、応接コーナーのテーブルに、黒いビロードをサッと広げて始まった、タロットカードによるリーディングに持った、私なりの解析です。
といって、何も私は、はなから、「術策」と知って、「占い師」の術中にはまりに行ったわけではありません。
住居のこと相方のこと、仕事&経済のことはあっさりと、都合一時間、その筋では有名な、しかしながら、「普段、顔を合わせているひと」が「占いをやっている」というカムアウトの、それは、「来るべくして来たタイミング」に過ぎないのです。
ところで、タロット占いに、「神秘性と信憑性を感じ、煙に巻かれた感が否めない」とはいいじょう、やはり、それぞれ別のカードで同じことを鑑(み)てもらった結果が、同じカードが意味するメッセージで示されたことに、より強く「神秘性と信憑性を感じ」ると同時に、そのカードが出ることの確率を、算式にしてみたくなりました。
大小アルカナカード計78枚を、それぞれ別のカードで繰り返したとき、同じカードが出る確率は、
1/78×1/78≒0.00016436554
0.016%
1万回に1回より少なく、さらに、カードには正位置・逆位置とがあり、と考えると、もはや、天文学的確率としかいいようがなく、「術策」などと小手先のそれを超えた、「占い師のスキル」の高さに、おそれおののいたことは、いうまでもありません。