引寄

私 文フリ刊記の『作者は誰?』を出してからひと月で、こんどは、楯四郎にクローズアップした、『第三の楯四郎』を出そうと思ったきっかけは、何だったの?

 

菫 併載した「真筆、楯四郎」は、楯と目星をつけた人物が、端から同一人物ではない、つまり、「敗北がわかっていて」のそれだったから、「じゃあ、楯四郎は誰?」ってところから始まったんだけど、そのタイミングで、伊藤文学が自著に、「楯四郎さんは、○○○のペンネームで、……ご自身の体験を書かれている」とか書いてたのを知って、記事が掲載された『薔薇族』を、早速、ヤフオクで落札(即決)して読んでみたら、これも、同じタイミングで読んでた、石沢英太郎の本の内容と見事にリンクしてね。

「書くっきやない!」思ったのがきっかけっちゃあ、きっかけかな。

 

私 文フリが終わってひと月が経った頃に、資料読みを始めた、というLINEをもらい、一週間後に起筆・三週間後に擱筆、のLINEをもらって、さらに、「第三の楯四郎」がその間にもわかった(推察ながら)から、とそれの推理を始めて、一週間で書き上げたのが、表題の『第三の楯四郎』ってことなんだけど、約一か月間の「楯四郎」との蜜月? はどうだった?

 

菫 そうね。

90年代の始め、正確には93年に、須永朝彦先生のところですすめられた、というか、こういうひとがいるよ、と見せてもらったのが、『浅草怨念歌(あさくさうらみうた)』で、それが、「楯四郎」との馴れ初め。

その後、ニチョ(新宿二丁目)の本屋で、買って読んで、そこから、四半世紀以上経って、この夏、再燃、燃焼した! といった感じかな。

 

私 その熱エネルギーが、エントロピーの法則よろしく、資料を引き寄せた! という話を詳しく聞かせて?

 

菫 あれね。

七夕の頃かな、ヤフオクに初期の『薔薇族』がまとめて出てね。

そういう法則の信憑性ってあると思ってるから、このチャンスを逃すまい! と思って、そのとき、楯四郎の掲載号を、五冊落札したんだよね。

その一週間後に、『薔薇族』の電子版のリリースがあって、さらに、また、初期『薔薇族』がヤフオクにまとめて出た(奇跡的にも)から、創刊号以外(負けた!)、二号から六号までを落札したんだよね。

 

私 「そういう法則の信憑性」ってあるんだね。

しかも、世界的なネット障害が、ヤフオクの締切日に重なったという話を聞いて、ゾゾゾ、なったよ。

 

菫 そうなんだよね。

「創刊号以外(負けた!)、二号から六号までを落札した」タイミングでの話なんだけど、創刊号以外、競らずに最低落札価格で買えたのは、ひとえに、「世界的なネット障害」を引き寄せ、つまり、運を見方につけた、「その熱エネルギー」のたまものだと思ってる。

 

私 その後も「引き寄せ」た! って話は。

 

菫 『別冊薔薇族 青年画報』(二号から七号)がヤフオクでまとめて(一括)出て(奇跡的にも)、それも、落札し、こんどは、あるひとから、落札出来なかった『薔薇族』創刊号を譲ってもらった、って話ね。

 

私 強運というか、「引き寄せ」がハンパないね。

 

菫 うん。

欲しいものは、すべて手にいれたいひとなんで、たぶん、神通力で「引き寄せ」たのかもしれないけど、一概に、落札し続けるって、結局、カネを積んで勝ち続けることだから、その間、自炊 w で何とか切り抜けたよ! って、オチ。

 

私 とはいえ、相場より安く買ってるところは、抜かりないよね。

 

菫 そろばんはじくの職業柄、得意なもんで、……テヘペロ

 

私 それは、ともかく、菫太郎センセイと伴走した、六月下旬から九月下旬まで、長かった夏が、本日の入稿をもって、ようやく、終わりました。

 

菫 お疲れさま。

こんどの文フリ、しかも、はじめてのビッグサイト参戦! 勝つ気しかしない。

 

私 運を使い果たしてなければね。(諧謔 w)

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