幻花

東風終さんのことは、拙誌『僕たちのゲイビ論』で書きました。
正確には、東風さんが80年代に設立した、「クリエイターズ」という、ゲイビデオ・メーカーについてです。
その東風さんこと、稲嶺啓一さんの個展「幻花青年 SEINEN Phantom Lotus」を観に行きました。

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広い空間に、さほど大きくはない、額装の写真が並び、それらの作品を観る前に読んだ「作家略歴」には、
「1991年に解散した後、1994年に東風写真事務所を設立した。写真集『月の日』(東風写真事務所)続く『一瞬の肖像』(コチスタジオ)」
とあり、「クリエイターズ」(1983年〜)を1991年に解散→「東風写真事務所」→「コチスタジオ」と、東風さんが設立した「ゲイビデオ・メーカー」から、「写真事務所・スタジオ」へといたる、変遷を追うことが出来ます。
このたびの最新写真集『幻花青年』まで、三十年のタイムラグがあることも、『一瞬の肖像』(1996年)の刊行年からわかりました。
会場内を一巡して思ったことと言えば、
「一貫している」
ということであり、スタジオ撮影によるそれも、撮影の手法こそ、そのときどきでかえてはいるものの、基本、東風さんの美意識に貫かれた青年たちの肖像です。
そうした「青年たち」の肉体は、これも、東風さんが捉えた「美」の絶頂を、ブルーライトに投影され、あるいは、その全身を金色に塗られ、はたまた、競技選手たちの「一瞬」のそれをも「肖像」にしてしまう、といった感性のうちに表現されています。f:id:sumiretaro:20260614091253j:image
思春期にはじめて見た「クリエイターズ」のゲイビデオを、メーカーが運営するサイトであらためて見て、その動画を静画にかえるといった、東風さんの「感性」、つまり、「一瞬の肖像」は、このスタイリッシュな作家の、それゆえ、大義名分なのだな、などとも思いました。
なお、東風さんの近年の個展に、AKIO NAGASAWA での、「OTOKO」(2021年)がありますが、展示を見たのは、はじめてです。
このたびの「幻花青年 SEINEN Phantom Lotus」は、KOMIYAMA TOKYO G で、28日まで。

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