釣果

「青空掘り出し市」とのそれが言い得て妙な、連日の晴天続き。

神田古本まつり」の主眼? である、「掘り出し市」は、「東京名物」でもあるらしく、そうした、イベントの定冠詞となっています。

「東京名物 神田古本まつり 青空掘り出し市」、というのが、年に二回あるイベントの正式名称ですが、私ら書痴(誰と誰と誰を指していっているのかは不明)の間では、「青展」というのが、通称です。

これも、神田(神保町)にその本拠を構える「三省堂書店」(現、工事中) 、それの「池袋本店 古本まつり」も、その前身は、「リブロ池袋本店(春・夏の)古本まつり」であり、いまだに、「リブロ古本まつり」といって、はばからない、私です。

なるほど、通称とは、いい加減な記憶の、謂であるのでしょう。

「あれ」とか「これ」とかの呼称が、思い出せない、きょう頃です。笑

それはさておき、このたびの「青展」の雑感です。

ルートを大別しますと、

特選(東京古書会館)→靖国(通り沿いの露店)→岩波(ビル界隈の回廊)→靖国すずらん通り(各出版社の露店)

が、私のとったルートですが、最後の「すずらん通り」は、あまりの混みように、断念。(私欲にまみれた悪い気を感じたため w)

これまでの「青展」でしたら、ルートの一等始めに置いた「すずらん通り」ですが、コロナ禍中に始めた断捨離このかた、整理・処分する本に、割引価格とはいえ、正規の金額? を出せなくなっている、というのが正直なところ。

つまり、「青空掘り出し」を地で行きたい、という趣向なわけです。笑

以下、このたびの釣果。

「特選」で二冊。


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青磁社版「遠やまひこ」は、未刊に終わった? 釈迢空短歌綜集中、既刊、二冊のうちの一冊で、前年に刊行された「古代感愛集」とともに、同じ体裁を保っていることから、この三冊をもってコンプとしました。

池田弥三郎「わたしのいるわたし」は、「先輩友人のことにかかわるものを選んでみた」とのそれから、執筆中の資料としました。
靖国」で四冊。


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江森國友「少年」は、青年の頃に買い逃した詩集で、「靖国」での口開けです。

「松永延造全集」(全三巻)は、松永の「夢を喰ふ人」を桃源社のそれで読み、ぜひ、他のものも読んでみたい、と思っていたところに、八木書店さんの「店頭おすすめ品」との、鳴り物いりで現れ、難なくゲットという運び。

しかも、ハコ・オビ・パラが付いた、三冊揃の未使用品で、1500円!

そんなわけで、口開け二店舗目で、帰ろうと思ったほどです。(だって、重いんだもん。文士軟弱当然至極!)

「岩波」で一冊拾って、合計7冊、3300円の買い高でした。

それにしても、各所の棚を見てきて思ったことといえば、これまでの、コア(核)からハル(殻)へ、といった具合に、私ら書痴(ニッチともいう)の、それゆえ、鈍磨した感覚には、もはや、響くものが少なくなった、ということでした。

それでも、「鳴りもいりで現れ」るなどの、本との出会いを、なかば、惰性的にならざるを得ないルートのうちにも、期待しているのでしょう。

そうした、百分の一の確率を求める行動は、我々の生殖活動に似ていなくもなく、神秘的でさえあります。(ウソピョーン)